あなたのギャップにやられています
痛い。なぜだか、胸が痛い。
それほど衝撃的なその絵は、真っ白な衣装を纏った女性の後ろ姿だった。
彼女が純白すぎて思わず目を背けたくなるような。
衣装や肌のことではない。彼女があまりに汚れがないように見えてしまって。
人事にブーブー言っている私も、経理で頑張ると決めたはずなのに、まだ悶々としている私も、自分の事しか考えられなくなってしまって、雅斗にこんな時間を持たせてあげられなくなってしまっていた私も、なんだか全部イヤで仕方がない。
あぁ、私って考えれば考えるほどドス黒い。
「これ、冴子」
「はっ?」
雅斗が私を後ろから抱き締める。
「下絵は前から描いてあったんだけど、やっと色がつけられた」
満足そうにそう語る彼に、思わず首を振る。
だって私は、こんなにきれいじゃないよ?