あなたのギャップにやられています
「冴子ってさ、俺にとっては天使なの。
私はそんなにすごくないとか、どうせ思っちゃってるんだろうけど、すごいんだ」
雅斗は優しく笑いながら、私に語りかける。
「ううん。なにもすごくない」
「すごいさ。セックスの時のあの表情とか……わっ」
思わず手を振り上げた私と、顔を手でガードする雅斗。
この瞬間を誰かに見られたら、暴力女にしか見えないよ。
「冗談……でもないけどな」
「はっ?」
「冴子は俺にパワーをくれるだろ。それも、いつもいつもだ。
俺のことを信じてくれて、勇気を与え続けてくれる天使」
「私、が?」
確かに雅斗の才能をずっとずっと信じている。
だって、こんな迫力のある絵が描ける人だもの。
いつかもっと世に認められるはずだ。
今まではアンラッキーだったんだと本気で思う。