あなたのギャップにやられています
「私、雅斗の才能に嫉妬してた」
「うん」
「ゴリラに裏で手を回されて、すごくムカついて、雅斗は全然関係ないのに、どうせ私はって」
そこまで言ったところで、すごく自分が情けなくなって涙が溢れてくる。
そんな私を見た雅斗は、私を強く抱きよせた。
「誰だって……」
「ん?」
「誰だってそうだよ。
自分にないものを欲しがって、嫉妬して……俺もずっとそうだった」
「雅斗が?」
「うん。
次々と賞をもらう同級生とか、どんどん商品化されていくデザイン部の人とか、皆にすごく嫉妬して、ふてくされてた。
だけど、冴子が教えてくれたんだよ。
自分の信じる道を、歩いていることが大切なんだって。
そして、たとえすぐに結果が出なくても、全力で努力し続けるべきだって。
そうすれば、必ず自分の努力を見て、評価してくれる人が現れるはずだって」