あなたのギャップにやられています
私はなにも言えなくなって、自分の席について顔を伏せる。
だって泣きそうだもの。
「おはようございます」
すぐに先輩が出勤してきて、慌てて目頭を押さえた私は、なんでもなかったようにパソコンを立ち上げた。
その日はあっという間に終わってしまった。
お昼休憩ですら、あまりに没頭していた私たちはすっかり忘れていて、部長に促さされてやっと二時になって腰をあげたくらいだ。
だけど、食べに行く時間ももったいなくて、近所のコンビニでサンドイッチを買ってそれですませた。
誰かに野菜ジュースを持たされたけれど。
最後のデザインの資料が出来上がったとき、私は脱力した。
簡単に引き継ぎすればよかったかもしれないけれど、プレゼンの資料まで作りあげたのだ。
そして、雅斗もやらせてくれた。
後ろ髪引かれたまま終わりたくない。
それを彼もわかってくれたのだと思う。