あなたのギャップにやられています

「あのさ、具が大根しかなくて。それでもいい?」

「もちろん」

「それじゃあ、お手々洗って座ってね」

「幼稚園児じゃないし」


良かった。いつもの私たちのテンポが戻ってきた。


「じゃん! なんと、アジの干物」

「お! 冴子のくせに肉じゃない」

「失礼ね」

「だって冴子、朝からハンバーグとか唐揚げとか、平気で食うじゃん」


プッと顔を見合わせて笑いあうこの時間が、永遠に続けばいいのに。


それから私ははしゃいだ。
雅斗も、昨日のことがなかったかのように大笑いして。


それでも食べ終わってふたりで食器を洗ってしまうと、なんとなく沈黙が訪れた。
どうしたらいいのかわからなくてソファに座ると、雅斗も隣にやって来た。


< 477 / 672 >

この作品をシェア

pagetop