あなたのギャップにやられています
「あのさ、具が大根しかなくて。それでもいい?」
「もちろん」
「それじゃあ、お手々洗って座ってね」
「幼稚園児じゃないし」
良かった。いつもの私たちのテンポが戻ってきた。
「じゃん! なんと、アジの干物」
「お! 冴子のくせに肉じゃない」
「失礼ね」
「だって冴子、朝からハンバーグとか唐揚げとか、平気で食うじゃん」
プッと顔を見合わせて笑いあうこの時間が、永遠に続けばいいのに。
それから私ははしゃいだ。
雅斗も、昨日のことがなかったかのように大笑いして。
それでも食べ終わってふたりで食器を洗ってしまうと、なんとなく沈黙が訪れた。
どうしたらいいのかわからなくてソファに座ると、雅斗も隣にやって来た。