あなたのギャップにやられています
すごく恥ずかしかった。
だって……目つきの変わった雅斗に、全身を視線で犯されているようで、とっても。
だけど、それもそのうち心地よい快感に変わっていって、いつの間にか私もデッサンしている彼の腕に釘付けになっていた。
程よくついた筋肉が、手を動かすたびにピクッと揺れる。
あの腕がいつも私を……。
そんなことを考えて、ひとりで頬を赤くした。
それからどれくらい経っただろう。
鉛筆の粉で真っ黒になった手を彼が止めた。
「冴子、疲れただろう?」
雅斗は私のそばにやってきた。
緊張の糸が切れた私は、掛けられていたシャツを胸のあたりまで引っ張り上げた。
「できた?」
「大まかなデッサンは。まだこれからだけどな」
見せて欲しいと言ったけれど、「出来上がったらな?」なんて見せてはくれなくて。