あなたのギャップにやられています
百合ちゃんに抱き締められた衝撃で、いつの間にか震えも止まったらしい。
「冴ちゃん、もしかして私に会いに来てくれたとか?」
「あっ、うん」
「この時間じゃ、リアンは無理ね」
そう言った百合ちゃんは、遅くまでやっている居酒屋さんに私を誘った。
「まずは乾杯ね」
ビールのグラスをカチンと合わせる。
百合ちゃんは喉が乾いていたらしく、一気。
私はなんとなく飲む気にはなれなくて、泡を少しだけ舐めた。
「待っててくれたなんて、今日はおごっちゃう。好きなものどうぞ」
「ありがとう。でもリアンで食べてきちゃった」
私がそう言うと「それじゃあ、私のおすすめをつまんで?」といっていくつかの料理を頼んでくれた。
「感激だわー。冴ちゃんが私のところに来てくれるなんて。
でも、怖い思いさせてごめんね。これからは店に来てくれればいいのよ」
「うん。ありがとう」