あなたのギャップにやられています

ちょっと怖かったけれど、百合ちゃんが男でよかった。
そんなこと、口が裂けても言えないけれど。


「なんか話したいこと、あるんでしょ?」

「う、うん」


丁度やって来たジャガイモの明太子ソースを私に取り分けてくれた百合ちゃんは、大きな口でそれを頬張り「アツッ」と言っている。

そりゃー、熱いよ。
上に乗ったチーズからすごい湯気が出てるもん。


「あはは。百合ちゃん、大胆」

「だってぇ、お腹ペコペコなのよ」


熱いと言いつつ、もう一口食べている百合ちゃんがおかしくて笑ってしまう。


「ビール!」

「はい」


熱い料理をビールで流し込むという大胆な百合ちゃんのお陰で、気持ちが少し緩んだ。


「それで?」


次にやって来た照り焼きチキンは、そんなに熱くなくてすぐに食べられる。

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