あなたのギャップにやられています
実は戸塚部長に、雅斗が今回の話を断らないように見ていてほしいとお願いした。
しかも、できることなら、受ける方に話を向けてくださいと。
部長も雅斗のためにはそれがいいと賛成してくれて、OKの返事をもらった。
だけど……どうしてそんなに木崎のことを? なんておそらく確信を持って聞かれた質問に、正直に答えるしかなくなって、雅斗との関係を話すしかなかったけれど。
『それにしても、そうなのか』とクスクス笑う部長に恥ずかしくなって顔をそむけると、「お前、いいヤツだな」と言われて、ますます恥ずかしくなった。
「それで私、独立することにしたの」
不動産会社を回っていたのはそのためだ。
「私がずっと雅斗にぶら下がっていたら、気になって行けないもんね」
この間、百合ちゃんに指摘されたとおりだ。