あなたのギャップにやられています

「冴ちゃんが踏ん張るなら、私は応援するわ。
雅斗君には成功してもらいたいもの。
雅斗君に彼女ができたらイヤだと思っていたけど、冴ちゃんでよかった。
どっかのバカ女だったら、私……」


ポケットから取り出したレースのかわいいハンカチを目に持っていく百合ちゃんは、本気で泣いているようだ。

ちょっと百合ちゃん。感情が豊か過ぎるわよ。


それから、「頑張るわよ!」となぜか仲間になったらしい百合ちゃんと一緒に、お腹がはちきれそうになるまで料理を食べ尽くして、居酒屋を出た。
本日2度目の夕食は、なかなかヘビーだったわ。


「やっぱり、百合ちゃんってすごいな」

「すごい? なにが?」

「百合ちゃんに会うまでは、雅斗から離れるって決めたとはいえ、すごく不安だったの。
でも、もう迷わない」


私がそう言うと、眉間にシワをよせたのは百合ちゃんの方だ。

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