あなたのギャップにやられています
「ちょっと疲れたな。とりあえずシて寝ようか」
とりあえずって、なによ!
「疲れたら、そのまま寝たらいいの!」
「照れなくてもいいから」
「違うしっ」
そのまま私を抱き上げた雅斗にしがみつくと、私の額にキスをした雅斗は「やっぱり誘ってるじゃん」なんてつぶやいた。
雅斗の無理した高いテンションは、なんだか痛々しかった。
それに、梶田さんに会ってきたはずなのに、一言もその話をしないのは、なぜなんだろう。
とはいえ、私の方から聞くことができない。
彼の方から言いだすのを待たなければ。
最終的に決断するのは、彼自身だから。
雅斗が少しでもイギリスに行きやすいように、環境を整える。
所詮私にはそれくらいしかできないのだ。