あなたのギャップにやられています
私をベッドに降ろした彼は、すぐに唇を塞いだ。
温かい。
私だって、ほんの少し会えないだけで、こんなにも寂しくて、こんなにも辛いんだって改めて感じた。
だけどね、雅斗。
今は決断の時なんだよ。
一時の感情に流されて誤った選択をしたら、きっと後悔するから。
「冴子……」
ため息交じりの声で私の名を呼ぶ雅斗に、このまま抱かれてしまいたい。
だけど……。
「雅斗、疲れてるから、今日はね?」
「大丈夫だし」
「ダメ。私が疲れてるの。明日にしよ?」
こんな抱かれ方はイヤ。
あなたは現実から目をそらしたくて、私を求めているのだと思う。
私を抱いたって、なにも解決しないのよ?
盛りのついた雅斗をなんとかなだめて、私たちは眠りについた。
雅斗が真っ裸のままだったのは、この際、見なかったことにしよう。