あなたのギャップにやられています

彼の寝息はわりとすぐ聞こえてきた。
多分、精神的にもすごく疲れているのだと思う。

人生の別れ道、なのかもしれないもの。
当然といえば当然だ。


「応援してる」


寝ている雅斗につぶやくと、突然寝返りを打って驚いた。

ち、ちょっと……布団がめくれてお尻が丸出しだからっ。
それにしてもよく絞まっているな、なんて変態チックなことを思いつつ、再び寝返りを打って、今度はアッチが見えそうになった雅斗に慌てて布団を掛け直した。


次の日は、いつものようにいい匂いで目を覚ました。

やったー! 
この匂いは、出汁だ。


朝から和食なんて、ひとりで暮らしていた頃は一度だってなかったけれど、雅斗の作ってくれるお味噌汁があんまり美味しくてはまってしまった。

肉もいいけど、しっかり出汁の利いたお味噌汁がこんなに美味しいとは知らなかった。

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