あなたのギャップにやられています
「おはよー」
「おはよ」
もうすっかりスッピンでも平気になった私は、リビングに顔を出した。
私は平気だけど、やっぱり女子力ないか……なんて洗面台に駆け込むと、「今日は豆腐だよ」という雅斗の声が聞こえる。
これって普通、逆かしら。
私がキッチン、だよね。
慌てて顔を洗って、髪をアイロンで整えると、とりあえずリビングに戻った。
「もうできたんだ」
「手伝おうと思ってたとか?」
「う、うん。まぁ……」
バツの悪い顔をしていると雅斗がクスクス笑う。
「気にしない。俺、嫌いじゃないし」
「ありがと。うわ、シャケだ!」
魚の中ではシャケが一番好きな私は、テンションが上がる。
冷蔵庫にいつも常備してあるシャケは、時々食卓に上がるけれど、雅斗が焼いてくれると、一層美味しく感じるから不思議だ。