あなたのギャップにやられています
「部長に、"冴子を幸せにすると思ってたけど、未熟だった"って言ったみたい。でも、私……」
「足りてないわけないわよね。週に3回も4回もエッチして」
「ち、違うし」
百合ちゃん、話が変だから。
「そんな終わり方って……。
そりぁ、私だって雅斗君の夢を応援したいわ。
だけど、しばらくの間、ちょっとひとりで悶々として我慢すればいいことでしょ?」
それもちょっと違うから、ね。
「雅斗は私との将来を考えていてくれたみたいなの。
それなら今の安定した仕事を手放して、賭けに出るなんてできないって」
「そう、なの……」
「お待ちどう」
すっかり箸を置いていた百合ちゃんは、私の牛肉のたたきを見て、再び自分の唐揚げを食べ始めた。
「マスター、冴ね!」
「別れちゃったんだって?」
「えっ……」
「3日前かなぁ。木崎君が来てね」
そう言いながらマスターは一旦奥へと入っていく。