あなたのギャップにやられています
料理上手なお試し君
「冴子、冴子」
「ん?」
誰かに呼ばれた気がしてそっと目を開くと、カーテンが全開になった部屋はかなり明るくなっていて飛び起きた。
「やば、遅刻!」
「あはは、休みだから」
その声の方に視線を移すと、木崎君がニコニコ笑っている。
一瞬、なんで? と思ったけれど、昨日の出来事を思い出して顔を赤らめた。
「ちょっと、寝起きの顔なんて見ないでよ」
「大丈夫。もうたっぷり見たから」
「もう!」
なんだか調子が狂うけれど、ちょっと楽しい。
「顔洗っておいでよ。とりあえず朝御飯食べよー」
そういえばなんだかいい匂いがする。
これって、出汁?