あなたのギャップにやられています
「いただきます」
お腹が突然グーっと鳴りだす。
きっとこのいい匂いのせいだ。
お味噌汁を一口飲むと、インスタントは違う出汁の味がガツンと口の中で広がる。
「美味しい」
「だろー」
夢中になって食べ尽くすと、お腹が満タン。
幸せな気分。
「すごい。木崎君、こんなに料理上手なの?」
「まぁね。ひとり暮らし長いし、結婚とかも考えてなかったから自分でね。
誰かに縛られるなんてごめんだと思ってきたけど、俺にも縛りたい人ができてさ。
その人になら縛られてもいいかなって。
やっぱり結婚したくなったから」
「は?」
ニコニコして饒舌に語る木崎君にあっけにとられる。