あなたのギャップにやられています
「つれないなぁ。
まぁ、深く考えなくていいよ。
僕は好きなら口に出すタイプだから、今回もそうしただけ。
木崎さんにその気がないなら、今まで通りで構わないし、もし考えてもいいなら、その時はOKの合図くれる?」
全く余裕の堀川さんが、「それじゃあデートの続き」と言って私を促した。
それからはなんの絵を見たのか、よく覚えていない。
雅斗のことを純情ボーイだなんて思っていたけれど、私の方がよほど純情なのかもしれない。
だって、雅斗のときも今回も、頭が真っ白になってしまっているのだから。
美術館を出ると、紳士的に部屋まで送ってくれた堀川さんは、いつもと同じように帰って行った。
「ちょっと、雅斗。私……告白されちゃったみたい」
私は部屋に帰ると、真っ先に寝室にある裸体の絵の前に座り込んで話しかける。
「こんなこと、雅斗に言うのおかしいか」
すごく頭が混乱していた。
告白の相手が、容姿は思いっきりストライクで、一緒にいると楽しくて、同じ価値観を持っていて……言うことなしの人だったから。
あとは大胸筋の鍛え具合か……ってそんなの脱いだ時しかわかんないし。