あなたのギャップにやられています

「冴子、料理があんまり得意そうじゃないから、結果としてはよかったか」

「私?」

「縛るって、そっちの縛るじゃないから。
まぁ、縛ってほしかったら縛るけど?」


思わず固まって首を小刻みに振る。


「あ、意味わかるんだ」


なにっ……。
鋭い突っ込みにたじたじな私は、あまりの恥ずかしさに顔をそむけた。


「冴子って、経験豊富なの?」

「は……」

「いや、結構モテそうだし、実際すごい狙われるし、でもすぐ真っ赤になるからどうなのかなって」



その質問、おかしいから!

その質問はさらりと無視して皿を片付けはじめると「あれ、怒った?」なんて私の隣にやってくる。


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