あなたのギャップにやられています
「もういいから。
木崎君が作ってくれたんだから、私が片付けくらいはするわ」
「ごめん、冴子。俺、なんか昨日からイライラして。
あいつのチケット本気でもらおうとするし、ストーカーが隣の部屋に住んでるなんて聞いちゃったし。
元彼の服なんて着せられるし。
俺、冴子をいじめたくなっちゃった」
彼はそう言いながら、私を後ろからギュ―ッと抱きしめてくる。
「いや、いいから。ちょっと離して……」
「冴子、俺、本気で好きなんだよ」
彼の声のトーンが突然低くなって、そんな言葉を紡ぎだす。
「すごく、すごく好きなんだ」
「木崎君……」