あなたのギャップにやられています

「もういいから。
木崎君が作ってくれたんだから、私が片付けくらいはするわ」

「ごめん、冴子。俺、なんか昨日からイライラして。
あいつのチケット本気でもらおうとするし、ストーカーが隣の部屋に住んでるなんて聞いちゃったし。
元彼の服なんて着せられるし。
俺、冴子をいじめたくなっちゃった」


彼はそう言いながら、私を後ろからギュ―ッと抱きしめてくる。


「いや、いいから。ちょっと離して……」

「冴子、俺、本気で好きなんだよ」


彼の声のトーンが突然低くなって、そんな言葉を紡ぎだす。


「すごく、すごく好きなんだ」

「木崎君……」


< 61 / 672 >

この作品をシェア

pagetop