あなたのギャップにやられています

「雅斗?」


もしかしたら、あれは夢だったんじゃないかって、一瞬焦る。
だけど、玄関に放り投げられていた彼の荷物を発見してホッとした。

それにしても、静かすぎるんだけど。


下着の置いてある寝室をそっと覗くと、電気をつけたまま雅斗は眠っていた。


「疲れてるくせに」


あんなに激しく抱いたりするからよ。
パジャマを着て雅斗の隣に入ると、すっぽんぽんの雅斗がグイッと私を引き寄せた。
でも、眠っているようだ。

相変わらず裸族なのね。

あの頃となにひとつ変わっていないように見える彼に、なんだか安心する。
有名な画家になっても、雅斗は雅斗だったから。


「I thought about you everyday. I am happy that I met you」


私は大好きな彼の大胸筋に顔をうずめて目を閉じた。

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