あなたのギャップにやられています
あなたが隣にいてくれるなら
次の朝目覚めると、キッチンから良い匂いがする。
「雅斗、おはよー」
「おはよ」
思った通り、雅斗が出汁を取っていた。
「なに作ってくれるの?」
ほんとは逆だ。
久しぶりに日本に帰ってきた雅斗に和食を振舞うべきなのは、多分私。
でもいいや。
これが私たちだもん。
「冴子の好きな豆腐とわかめの味噌汁。
あとは、どうせ肉ばっかり食べてるだろうからシャケときんぴらゴボウ。
でも、前より冷蔵庫が充実してる」
「だって雅斗がちゃんと食べろって」
「俺の言うこと聞くなんて、ほんとに俺のこと好きなんだな」
「違うし」
やっぱり上からくる雅斗の言葉に笑いながら、一緒にキッチンに並ぶ。
「リアンのマスター元気?」
「うん。百合ちゃんもすごく元気だよ」
「百合にはお灸をすえないとな」
「いや、いいから」
意外と嫉妬深いのね。