あなたのギャップにやられています
「ありがとう。必ず満足させるよ。心も体も」
体!
彼の言葉にやっぱり真っ赤になる。
純情なのは木崎君じゃなくて、むしろ私の方らしい。
「好き」
私の両頬を大きな手で包み込んだ彼は、ゆっくり近づいてきて私の唇を塞いだ。
彼の柔らかい唇は、なんだかちょっとだけ甘い。
不思議だ。
彼のことがもはや「男」として好きになりかけている。
お試し彼氏のはずなんだけど。
お試し君にしては積極的すぎないか? なんて思ったけれど、嫌な気はしなかった。
それは私が男に飢えているからかもしれないなんて一瞬頭に浮かんだけれど、そんなはずないって即座に否定したりして。