あなたのギャップにやられています

そうは言っても恋は自由だ。

自分に恋愛感情を持つ百合ちゃんをやんわりと拒否しながらも、仲間として受け入れていた雅斗は、それが一番良くわかっているのかもしれない。


「冴子はまた肉なのか」


大好物の牛たたきの和風ねぎソースを頼むと、つかさず突っ込みが入るけれど、こうして昔のようにみんなで食事をとれるのはうれしい。


それから雅斗のイギリスでの話に花が咲いて、いつの間にか閉店時間もとっくに過ぎていた。


「俺、結婚するわ」


私たちと百合ちゃん以外のお客がいなくなると、雅斗が突然口を開いた。


「はーっ? まさか冴を捨てて金髪女と?」


百合ちゃん、私の妄想そのものを口にするのはやめて。


「なんでそうなるんだ?」

「それじゃ、私?」

「それも違うだろ」


雅斗と百合ちゃんはいいコンビだ。
一緒にいるとすごく楽しい。

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