あなたのギャップにやられています
「それじゃ、あなたたち……」
なんだか照れくさくて小さくうなずくと、百合ちゃんの大きな体が覆いかぶさってくる。
「冴―」
「いや、ちょっと、あの……」
私に抱きついてきた百合ちゃんの力が、強すぎて窒息しそうだ。
「冴子に触れるなよ」
間に割って入ってきた雅斗まで、百合ちゃんに一緒に抱き寄せられて……。
「もう最高よ!」
私よりずっと号泣している百合ちゃんを見て、素敵な友達だと思った。
雅斗の初めての日本での個展は、大成功だった。
彼が持ち込んだたくさんの絵は、やっぱり多くの人を魅了した。
もちろん、私もその中のひとりだ。
そして堀川さんも「見る目があるだろう」と自画自賛していた。