あなたのギャップにやられています
「だって付き合ってるんだし、ベッドもダブルだよ?」
「むっ、無理!」
毎日、訳のわかんない彼のフェロモンに侵されるのは困る。
それにベッドがダブルだと、どうだっていうのよ!
「でもさー、あの部屋散らかってるし」
「私、片付けるから!」
慌ててその部屋のドアノブにすがりつくと、一気にドアを開けた。
「あっ……」
「あーぁ、開けちゃった。散らかってるって言ったでしょ?」
遠くからの木崎君の声を聴きながら、部屋へ足を踏み入れる。
部屋の隅に小さめのソファが置かれているけれど、全く生活感がない。
だって、そこには……。
「すごい」
彼の言うとおり、リビングとは違って、とてつもなく散らかっている。
無数に転がっている数々の絵。
どれも無造作に置かれていて、飾られているわけではないけれど、一瞬にして心奪われる。