あなたのギャップにやられています
「木崎君の絵、すぐに売れちゃうよ。もっと高値でもいいんじゃない?」
「いいんです。お金を稼ぐのが目的じゃないんで。
誰かが気に入ってくれれば、俺はそれで満足なんです。
もうひとつ持ってきましたよ」
彼が差し出したのは、写真立てに入った小さな絵。
「おぉ、このシリーズ結構人気だよ。
ちょっとした部屋のアクセントにって。
木崎君の絵は癒されるしね」
「見せてください!」
思わず手を出した私の目に飛び込んできたのは、天使のはしごと言われる雲の間から降ってくる光の帯。
それはとても幻想的で、本当に天使が降りてきそうな雰囲気だ。