あなたのギャップにやられています
「マスター。これ、いくらですか?」
「えっ?」
「私、買います」
即決だった。
前にプレゼントしてくれたあの月夜の絵もこれも、一瞬で私の心を奪っていった。
「木崎君、いい彼女見つけたね」
「そうでしょ?」
「自分の才能をこんなに素直に評価してくれる人がそばにいてくれるっていうのは、幸せだね」
「はい。とても」
私のことをそっちのけで進む会話。
「それじゃ、これは冴子にプレゼントする。
マスター、また今度でいいですか?」
「あぁ、もちろん。ここは趣味の広場だから」
「ほんとにいいの? すごくうれしい!」
思わず大きな声が出る。