あなたのギャップにやられています
「それより、さっきの絵、本当にもらってもいいの?」
なんだか恥ずかしくなってしまった私は、とっさに話題を変えた。
「あぁ。好きだと言ってくれる人にもらわれていくのが、一番幸せだと思うんだ」
「ありがとう。すごくすごく大切にする」
「そんなに喜んでくれてうれしいよ。
冴子が描き続けろって励ましてくれたから描けてるんだし」
「そうなの?」
私が首をかしげると、「とりあえず出ようか」と言った彼は伝票をもって立ち上がる。
「マスター、また来ます」
「あぁ、木崎さんもまた来てね」
「はい。すごくおいしかったです。ご馳走様でした」
私がそう挨拶をすると、マスターはにっこり笑ってくれた。