ブラッディ トゥ ナイト
《離れたくない》
資料倉庫で保管している桑月一のデータを見ていると、白城に声を掛けられた。
「仕事中悪いが、課長がお前を呼んでる」
扉の所に立って困った顔で白城は伝えた。
「課長が?……わかりました。ありがとうございます」
僕は読んでいた資料を棚に戻す。
何を見ていたのか聞かれなくてホッとした。
白城は用が済んだのか、何処かへ行ってしまった。
僕は資料倉庫に鍵を掛けて、課長室へ急ぐ。
課長室へ向かう途中で喫煙所の前を通ると、白城が居たので軽く頭を下げて通り過ぎた。