ブラッディ トゥ ナイト

『本当に40度もある病人?』

笑って空になった小さな鍋を台所に持って行った。

『はい。これ飲んで寝なさい』

みゆきは水の入ったグラスと市販の薬を持って戻って来た。

『ありがと……って粉薬!?』

みゆきから受け取った薬は俺の嫌いな粉薬だった。

『そうだよ。これが風邪には1番効くの』

母親みたいな、みゆきの言う事を聞き、俺は意を決して粉薬の封を開けた。

口に水をいっぱい含み、上を向いて粉薬を口に入れた。

そして一気に飲み込み、更に水をゴクゴク飲んで口内に残った粉薬を流し込んだ。

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