ブラッディ トゥ ナイト
《等身大以上の愛》
目覚めの悪い朝を迎え、沈んだ気持ちのまま砂糖3杯のコーヒーを啜る。
何故、人を殺した後は決まってみゆきの夢を見るのだろうか。
マグカップの隣に置いた、小さな箱を見つめながら思う。
みゆきが殺されてから霊感を頼りに、みゆきを探した。
だけど、みゆきの気配を感じ取ることは一度も無かった。
最初は復讐なんて考えてなかった。
彼氏として、刑事として、犯人を捕まえてやるつもりだった。
休みなんか無視して調査を行っていたが、犯人に繋がる情報も証拠も見つからなかった。
テレビや新聞を見ても、殺されたみゆきの事ばかりなのに目撃者も現れない。
最近話題になっていた執行人ですら動かなかった。