ブラッディ トゥ ナイト

鎖に繋がれた男の霊に慰められた。

そうだ、後悔したってもう遅い。

俺は人を殺してしまったんだ。

愛するみゆきの仇として。

復讐出来た喜びを噛み締めよう。

この世にみゆきを苦しめた男はもう居ない。

助けてあげられなかった代わりになればいい。

後悔したのは殺した後の一瞬だけで、今は後悔なんてしてない。

男の霊が嘘を吐いて、適当な男を俺に殺させたのかと思ったが、男の部屋でみゆきを殺した果物ナイフが発見されている。

小さな箱をいじりながら、苦い記憶を甘い甘いコーヒーで飲み下す。

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