ブラッディ トゥ ナイト
そっと箱を開ける。
窓から差し込む光でキラキラ輝く、ブリリアントカットのダイヤモンド。
俺の指には小さ過ぎるシルバーリング。
俺の左手薬指にしているものと同じ。
結婚するつもりだった。
広い家に引っ越したのも、貯金してたのも結婚の準備の為で、あとはプロポーズをするだけだった。
いつもみゆきの夢を見た後は、助けられなかった自分を恨み、プロポーズが出来なかった事を悔やむ。
こんな思いをするなら、コピーキャットを辞めようと何度も考えた。
今でも時々考えてしまう。
だが復讐を果たした事で、俺の人生の歯車は狂ってしまった。