ブラッディ トゥ ナイト
《鋭い針》
「梓たちの方だと、どれくらい捜査進んでたの?」
白城はパトカーに寄り掛かりながら、一服の缶コーヒーを開ける。
いつものミルクたっぷりのカフェオレを飲む白城の隣で、僕はブラックの缶コーヒーを飲んでいた。
「犯人の候補は前嶋輝を含め何人か居たんですよ。執行人はどうやって犯人を特定しているんでしょうか……」
温かい缶を握り締める。
「最初の頃はさぁ、事件が起きてから執行人が動くまで少し時間が空いてたのに、最近の行動は速いんだよね」
それは火茂瀬が霊の力を借りているからだ。
僕は警察側が犯人を特定しかけている時にいつも殺していた。
同じ状態で死んでいる男を見て直ぐに犯人と解る様にだ。
「確かにそうですね。6日程度だったのが、最近のは4日以内に執行人が動いてますね」