ブラッディ トゥ ナイト

「僕が吸わないの知ってるじゃないですか。缶コーヒーだけですよ」

無糖の缶コーヒーを見せる。

「吸わない方がいい。俺の肺、汚染されてるから長生き出来ない」

白城は笑いながらタバコを咥え、煙を肺いっぱいに吸い込む。

「辞めないんですか?奥さん心配しません?」

無糖のコーヒーを一口含む。

白城は煙を吐いた。

「俺の心配より子供の心配ばっか。まぁ当たり前なんだけどね。ベランダで吸えって言われた時は辞めようかと思ったけど」

白城はタバコを咥え、白い煙を吐き出した。

「もう無理。手遅れ。俺の体はタバコに犯されてるんだ」

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