ブラッディ トゥ ナイト
《上書きされた復讐》
「萌のマンションからコンビニまで徒歩4分、という事が分かったくらいで、萌の行方に繋がる証拠は今も見つかっていない」
僕は渋滞している道路をゆっくり運転しながら、彼女の事を火茂瀬に話した。
「執行人になったキッカケは復讐じゃないんですか?」
火茂瀬は僕が死体に触れたら犯人が解ると知っているから、疑問に思ったのだろう。
「萌の死体さえ見つかれば復讐が出来る。だけど行方不明になって4年経つのに行方どころか生きているのかすら、解らないんだ」
生きてるなんて思ってない。
僕は1年で萌の生存を諦めた。
1年も行方不明で生きている確率の方が低いからだ。