ブラッディ トゥ ナイト
《重なる影》
渋滞のせいで予定より30分も遅れて現場に到着した。
黄色いテープとブルーシートで囲まれたパーキングエリアの中へ入る。
「ひどい、な……」
「うわぁっ……」
僕と火茂瀬は今回の死体を見て、思わず声を出してしまった。
このパーキングエリアは出入り口から見て、両脇に車が5台ずつ駐車可能で2m程の緑色のフェンスに囲まれている。
死体は出入り口の目の前のフェンスに、張り付く様にあった。
死体は服を破かれ下着が露出した状態で両腕を広げ、背中のフェンスに破かれた服で括られていた。
頭が垂れ下がっているので顔は見えないが、出入り口からでも後頭部から何かが飛び出しているのが見える。
「なんスかね?あれ」