ブラッディ トゥ ナイト

「矢、か……」

近付いてみると、額から後頭部に向かって弓道で使用する矢が突き刺さっていた。

他に外傷は見当たらない。

よく見ると死体のボロボロになっている服は巫女装束だ。

下着にあたる襦袢(じゅばん)や、主に上半身に見える白い部分の白衣(びゃくい)、赤い袴(はかま)までもが、切り裂かれていた。

和装下着ではなく、ピンク色のブラジャーも切られている。

死体の女性は何処かの巫女なのだろうか。

一般的な巫女は黒髪ストレートのロングヘアーで、一つに束ねられているのだが、この女性は茶髪でショートヘアだ。

「俺、本物の巫女さん生で見るの初めてだったんで、生きてる内に会いたかったです」

火茂瀬は僕の隣で本気で落ち込んでいる。



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