ブラッディ トゥ ナイト

流れる涙は口を塞ぐ赤い布切れに染み込んでいく。

手の空いた2人の男は、私の鞄をあさり始めた。

『これって、本物?』

茶髪男が弓矢を手にする。

コスプレ用の小道具として持ってきた本物の弓矢で、私が学生時代に弓道部で使用していた物だ。

ちゃんと的を射る事が出来る。

『これ、使わね?』

金髪男の言葉に茶髪男は楽しそうにニヤリと笑った。

2人の男は立ち上がると弓矢を持って私の目の前に来た。

『実は俺たち、アンタを殺さなくちゃいけないんだよ』

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