ブラッディ トゥ ナイト

倒れた青年の髪を掴んで無理矢理立たせると、そのまま私の目の前に怯える青年を連れて来た。

『んんッんんんッ』

この青年に助けは望めそうにないが、藁にもすがる思いだった。

『お前が今から、この女を殺すんだ』

青年は目を見開いたまま固まる。

金髪男は青年の髪を引っ張りながら、少し離れた所に立たせ、レンズの割れた眼鏡を青年にかけた。

銀髪男が弓と矢を真っ青な顔をした青年に押し付ける。

『これで殺れ』

青年は首を振り、弓矢を受け取らなかった。

『お前が殺らないと……“あの子”がどーなっちゃうかな〜』



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