ブラッディ トゥ ナイト
今朝、藤川はそう言って自首してきたのだ。
見るからに弱々しい青年が殺人なんて出来ないと、周りは笑っていたが、とりあえず事情聴取を僕らがすることになった。
「そろそろ始めるか」
僕はブラックコーヒーを半分くらい飲んで、デスクに置いた。
藤川の居る部屋の扉を開けた。
扉が開いた事に体が飛び跳ねるほど驚き、いよいよ視点が定まらなくなる。
「ぁぁあ……あの、ぼくッ……あのあの……」
目に涙をいっぱい溜めて、同じ言葉を繰り返す。
「ちょッ、落ち着いて、落ち着いて!」
火茂瀬が藤川の様子に慌てて落ち着くようになだめる。