ブラッディ トゥ ナイト

身を乗り出して運転席の僕に近付く。

「接触したら勘付かれる」

「近くの席に座らなきゃいいんスよ」

ギュルギュルと再び腹の虫が鳴る。

「今の、俺の腹じゃないっスよ?」

火茂瀬は至近距離でニヤリと笑う。

不覚にも僕の腹が鳴ってしまった。

「梓さんも腹減ってんじゃないスか」

クスクス笑っている火茂瀬を殴りたい。

「胃が活発になってるだけで、空腹じゃない」

< 204 / 379 >

この作品をシェア

pagetop