ブラッディ トゥ ナイト

彼女の質問に君島は眉を寄せ、彼女を見つめ返すだけで何も答えなかった。

いや、涙を堪えるのに必死で何も答えられなかったのだ。

「ねぇ!何とか言ってよッ!!れーくん!れーくんってばッ!!」

彼女が君島の腕を掴んで、急かす様に揺さぶる。

「うるせーッ!」

君島は彼女を振り払って、突き飛ばした。

「罪を増やす気か?」

手錠を取り出し、1歩前へ出る。

「近寄るな、ホモッ!!」

「侮辱罪も追加だな」



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