ブラッディ トゥ ナイト
音も無く、目の前にすっと現れたのは、巫女だった。
弓矢で脳を貫かれて殺された真栄城奈々美だ。
「そうだよ。依頼?」
『貴方、執行人よね?』
鼻が付きそうなくらいの至近距離で首を傾げる。
俺はその質問に首を振った。
「俺はコピーキャット。執行人は他に居るよ」
俺の答えに奈々美は更に首を傾げた。
『貴方に頼めば殺してくれるって聞いて来たのに……』
溜め息混じりにそう言われた。