ブラッディ トゥ ナイト

「いや、怖くはない。ただ見えているのが不思議で少し動揺しているだけだ」

火茂瀬は子猫を地面に降ろす。

子猫は高い声で再び鳴くと、どこかへ行ってしまった。

子猫の歩く後ろ姿に手を振ると、僕らは再び歩き始めた。

僕にも幽霊が見えるようになった。

もしかしたら萌を見つける事が出来るかもしれない。

……いや、死んだなんて考えたくはない。

萌はきっと何処かで生きている。

「お、もう来てる」

火茂瀬の声で真栄城が殺されたパーキングエリアに1人の男が立っているのに気付く。

< 233 / 379 >

この作品をシェア

pagetop