ブラッディ トゥ ナイト

文月は目に涙を溜めていた。

『俺たちは女に頼まれたんだ』

文月はアスファルトの一点を見つめながら悔しそうな顔をする。

「頼まれた……?」

「女に……!?」

僕と火茂瀬では引っ掛かる所がやはり違う。

『3人でBARに行ったんだ。そのBARは普通のBARなんだけどよ、そこの歌姫って呼ばれてる女に気に入られると良い仕事貰えるって噂があってさ。面白そうだから行ってみたんだよ』

僕は手帳を取り出し、情報を書き出す。

『3人で呑んで2時間くらいねばったけど、無理そうだから帰ろうとしたら、歌姫から、2階に来るようにって書かれたカードを貰ったんだ』

その後3人は2階に向かい、歌姫に会ったそうだ。

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