ブラッディ トゥ ナイト

……これ、折れるのか?

俺は掴んだ腕を見つめる。

「君の腕は細いから簡単に折れたんだろうな」

呟きながら立膝になり、桑月の左肘の部分を自分の立てた膝に重ねる。

左手で桑月の二の腕をしっかり掴み、桑月の手首を掴んだ右手を力任せに下に押した。

メキメキと関節がきしむ音と共にボキッと折れる音がした。

「んんんんッー!!……ぅヴヴぅうぐッ!!!……ぅヴッ……っ……」

桑月は激痛のあまり、再び気を失ってしまった。

猿轡(サルグツワ)にしたハンカチの隙間から泡が溢れてくる。

「また?ほんと弱いね」

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