ブラッディ トゥ ナイト
3人で話をしながらアーモンドをつまみ、店内の様子を観察する。
店員に変わった様子は見られない。
店内に流れるBGMはクラシックで耳に優しい。
出されたノンアルコールカクテルに睡眠薬など薬物の臭いも味もしない。
もちろん、アーモンドにも。
店内は落ち着いていて、おかしな様子は何もない。
本当にこんな店で殺人の取引が行われているのか、怪しくなってきた。
右隣に座っている文月を見る。
『えっ!?いや、マジだから!!歌姫に気に入られないと会えないんだって!』
文月は僕の疑いの目を見て、必死に否定する。