ブラッディ トゥ ナイト

本当はBARで1人になる事に抵抗はあるが、火茂瀬を乗せて来ているため、置いては帰れない。

「いや、不慣れな所に梓さん待たせるの悪いですし、俺ん家ここからなら何とか帰れるんで待ってなくて大丈夫ですよ」

火茂瀬は身だしなみを整え始める。

「確かにお前の家はここから近いけど、歩いて帰るには少し距離があるだろ?待っててやるよ」

僕はノンアルコールカクテルを口に含む。

「酔い覚ましに歩こうかなって」

毛先をいじりながら答える。

「酔い覚まし?」

僕も火茂瀬もノンアルコールしか飲んでいない。

「歌姫ちゃんと呑もうかなって」

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